2014年のゲームを振り返る:『ねがいましては、』
投稿者: 井戸乃博士 投稿日:2015/02/14 00:05 【レビュー】
皆様、こんばんは。 井戸の博士の助手ラヴィアンです。 今回も2014年のゲームをレビューしたいと思います。 |
・・・はぁ~~~~~・・・ |
・・・浮かない顔ですね、博士。 ため息なんかついて、どうされたんですか? 雰囲気が暗くて非常にうっとうしいんですが・・・ (シュッシュッ) |
ファブリーズを吹き付けるんじゃないよ。 わしゃ、ハウスダストか。 いや、最近悩んでおるのだよ。 わしも物書きのはしくれとして文章を書く技術を もうちょっと向上させることはできないものかと思ってなあ・・・ |
あら、博士にしてはめずらしく 前向きな理由で悩んでいるんですね。 文章を書く技術ですか・・・ やはり他の方の作品を参考にしてはいかがでしょう? Rmakeにも文章の上手い方が何人もいらっしゃいますから・・・ |
おお、そういえばそうだ! 文章が上手くてノベルゲームをRmakeで公開されている方がたくさんいるな! わしの思いつくところでは、 Rmake三筆のひとり、初代そこ兎さん、 Rmake六歌仙のひとり、トルドランさん、 Rmake四魔貴族のひとり、madousiozさん・・・ |
どうして肩書きがばらばらなんですか? 三筆とか六歌仙とか、 他にどんな人がいるのか教えてほしいんですが・・・ |
まあ細かいことは置いといてだな、 せっかく文章力のある方が優れた作品を公開しているのだから、 ありがたく読ませていただくとしよう。 ・・・そういえば、トルドランさんはゲームだけじゃなく、 レビューでも気の利いた文章をたくさん書いておられるじゃないか! これは参考させてもらわねば損だ! |
補足させていただくと、 トルドランさんは2013年9月から「ほぼ週刊トル通信」というタイトルで、 定期的にRmakeのゲームのレビューを書いてこられました。 その名のとおり1週間に1回のペースで、 2014年10月までに50作品ものゲームをレビューされています。 多彩なゲームを紹介されているので参考になりますし、 トルドランさんのセンスのある文章が楽しめますので、 ぜひお読みになってみてください。 別にステマではありませんよ♪ |
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ふむふむ・・・ (閲覧中) それにしても、よく毎週文章を考えるネタがあるものだなあ・・・ わしにはとても真似できん・・・ ・・・むっ! |
(※「ほぼ週刊トル通信」より抜粋しています。)
・・・これだ! |
『華麗な流れるような自然な導入』・・・ですか? |
そうとも。これこそ、わしの文章に欠けているもの・・・ わしの文章はどうも長ったらしくて「流れ」がない! どうも言葉が足りないような気がして、 ついくどくどと余計な説明をしてしまう・・・ 言いたいことがありすぎて文章をいろいろ詰め込みすぎる! くだらない愚痴をこぼしたり、まわりくどいネタを仕込んだりして、 気が付くといつも長文になってしまう! これでは読んでくれる方も、見ているだけでうんざりしてしまうに違いない。 我ながら嫌になる・・・ どうもわしは貧乏性なんだよなあ・・・ 実生活でもいろいろと買い込んでしまって余計な物が増えてしまう・・・ もっと要領良く生きねばならんなあ・・・ だからわしは出世しないんだ・・・ぶつぶつ・・・ ラヴィ君、どう思う? |
長いです。 ご自分の欠点が分かっているなら改善する努力をしてください。 つまり、もっと簡潔に流れるような文章を書きたい、 ということですね? |
そうそう、そうなんだよ! なんとかトルドランさんの華麗な流れるような文章を書く技術を、 学ぶことができる作品はないものか・・・ おっと、そういえばトルドランさんが公表されているゲームにも、 そんな作品があったような気がするぞ。 あれは確か・・・ |
思い出したぞ! 2014年1月19日に公開された『ねがいましては、』だ! 勉強も兼ねてレビューさせていただくとしよう・・・ どうかね、ラヴィ君?この流れるような自然な導入は? |
全然、流れていません! 本題に入るまでに、もう1500文字近くもかかってますよ! 早くゲームを紹介してください・・・ |
あらら、そうなの? 世の中うまくいかないもんだなあ・・・ まあいい、では紹介させていただこう。 |
《構成》
本作は短編集なのだ。 まず第一話から始めて、 テーマが共通する3つの話を読むことになる。 ゲームで言うとプレステの『街』なんかが近いかもしれんね。 |
お話の雰囲気はこんな感じ。 当初はガチガチのホラーにするつもりだったらしい。 そのせいか、ちょっとダークでシリアスな雰囲気が漂っているね。 |
そうですね。 トルドランさんと言うとコミカルな文章を書かれる方という イメージがあるせいでしょうか。 今までとは違った雰囲気を感じます。 |
ついにトルドランさんが、 「蟹工船」のような純文学に目覚めたのか?! と心配される方もいるかもしれんが、案ずることはないぞ。 読み進めていけば、トルドランさんのなじみ深い、 味のある文章が出て来るからね。 そこは読んでのお楽しみということで・・・ |
《ゲームとしての特徴》
この作品は基本的には一本道で、 ひたすら読み進めていけばいいのだが、 ゲームならではの工夫が見られる。 さっきの選択画面に『パスワード』という選択肢があるだろう? |
なんとなくわかりました。 どこかでパスワードが出て来て、 入力すると新しい話を読めるということですね? |
まあ、詳しいことは自分の目で確かめていただきたいが、 ゲームを進めていくと、読める内容がどんどん増えていくのだ。 読むのを飽きさせない工夫だな。 |
《華麗な流れるような(略)》
最初に言ったとおり、 この作品の特筆すべき点は何と言っても、 華麗な流れるようなテンポの良さにある! まず文章自体のテンポがいい。 話の構成がシンプルで分かりやすいし、 トルドランさんの持ち味である、 程よくユーモアと毒のある文章のおかげで、 スイスイ読むことができる。 |
今回のお話は、少しブラックなユーモアがありますが、 あまり重い雰囲気にならないので、 確かに読みやすいですね。 話の内容が頭にすんなりと入ってきます。 |
加えて文章の構成も巧みに作られている。 ネタバレになるので、あまり詳しいことは言えんが、 全体の流れとしては、 (衝撃の展開×3) → (衝撃の真相) → (衝撃の結末) という感じになっておる。 まず短編で読者の興味をひきつけておいてから、 トルドランさんのいつものペースに巻き込み、 その後、息をつく暇も与えずに衝撃の結末になだれ込んでいく。 まるでジェットコースターのような感覚を楽しめるぞ。 読んだ後には不思議な爽快感を覚えるに違いない。 |
では博士、 流れるようにまとめをお願いします。 |
この作品はとにかく読みやすい。 他のトルドランさんの作品と同様、ユーモアと味があるだけでなく、 ゲームのシステムも取り入れた巧みな展開のおかげで、 感動的に読みやすく、しかも読んでいて飽きない。 まさにトルドランさんの渾身の作品と言えよう。 時間はかからないと思うので、ぜひこの作品を読んで、 爽快感を味わっていただきたい。 |
ところで、博士。 博士は物書きとして、この作品から何を学びましたか? 何か参考になるところはありましたか? |
う~む・・・やっぱり経験かねえ・・・ 知識の引き出しが多くて、文章を書くことになれていないと こういう作品は作れないと思うね・・・ わしも精進せねばな・・・ |
頑張ってくださいね、博士♪ それでは今回のレビューはここまでとさせていただきます。 博士の無駄に長い文章を読んでくださって、 ありがとうございました♪ |
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レビューありがとうございます。
2014年の名作シリーズ、楽しく読ませてもらっています。
このゲームはまだプレイしたことがないので、時間を見つけてやってみたいです。